サウナに代わる「交代浴」+「不感温浴」という選択肢
サウナブームの先に見つけた「交代浴」+「不感温浴」
加熱するサウナブームに疲れてしまった私(前回投稿参照)が見つけた新しい「ととのいかた」。それが「交代浴」+「不感温浴」という方法だ。
交代浴
温冷交代浴とも言われ、温かい風呂と冷たい風呂に交互に入る入浴方法。疲労回復、筋肉痛の緩和などの効果が期待できる。
不感温浴
34~37℃の体温に近い湯に入浴する方法。身体に負担が少ない入浴方法で、長いと数時間浸かることも。精神疾患や動脈硬化に改善効果が期待できる。
それぞれ昔から知られている方法なのだが、これら二つの入浴方法を組み合わせる(以下、交代不感浴と呼ぶ)と、新感覚の快楽が得られることに気付いた。
本稿ではこの交代不感浴について、
- サウナとの違い
- 具体的な方法
- メリットとデメリット
サウナとの違い
サウナで「ととのう」方法については既に色んなところで紹介されているが、基本的には
①サウナ→②水風呂→③外気浴を2~3セット回すこととされている。
人によって感じ方は様々ではあるものの、この③外気浴の時の、共通的に語られる「得も言われぬ多幸感」を、サウナーは「ととのう」と表現している。
私の場合「頭は冴えているものの、何も考えていない瞑想のような感覚」になる。身体的な気持ちよさも然ることながら、どちらかといえば精神的な安定や脳の疲労回復に効果を感じている。
一方でこの交代不感浴で得られる感覚は、圧倒的に身体的快感に振り切れている。サウナが「ととのう」のであれば、交代不感浴は「とぶ」。まさにぶっ飛ぶほど気持ちいい。
冒頭それぞれの入浴方法について期待できる効果など記載したが、実はそんなことはどうでもいい。ただただ快楽のために私はこの入浴方法を続けている。
私なりの入浴方法
事前に断っておくが、サウナを含め交代浴は危険も伴う。血流や血圧に負担をかける方法であることは間違いない。高血圧だったり心臓に持病がある方には全くおすすめできないのでその点ご注意いただきたい。また、サウナでも湯船でも入る前に身体を洗う、潜水禁止の水風呂で潜らない、などは当たり前のマナーだ。それでは以下、私なりの交代不感浴の方法を記載する。
①あつ湯(約44~46℃)(全身浴:約100秒+半身浴:約10秒)
↓
②水風呂(約20~22℃)(約60秒)
↓
①・②を2セット
↓
③ぬる湯(約34~38℃)(心ゆくまで)
↓
④外気浴(心ゆくまで)
各項目をそれぞれ詳しく見ていこう。
①あつ湯(約44~46℃)(全身浴:約100秒+半身浴約10秒)
サウナにおけるサ室パート。大体サウナの場合5分の砂時計や12分計が設置されており、計測しやすい10~12分をここにかける人が多いように思う。しかし湯船の場合はそこまで時間をかけなくても身体を温めることができる。むしろ44~46℃のお湯に10分以上入れば水圧と温度で心臓にかなりの負担がかかるので、そこまで時間をかけないほうがよい。
私の場合は100秒を「いーち、にぃーい、さぁーん、…」と少し長めに頭の中でカウントしているので実際は2分半~3分くらいかかっているが、ご自身にあった時間を見つけて欲しい。
ただ、絶対やって欲しいのが「半身浴」を挟むこと。私を含めサウナーの皆さんは100℃の部屋で過ごした直後に15℃の水風呂に入ったりするため、急激な温度変化に慣れているほうだと思う。しかし、そんな私でも46℃の湯船から急に立ち上がると、かなりの確率で目眩を感じてしまう。ここは無理せず10秒程の半身浴を挟んでゆっくりと湯船から出て欲しい。
②水風呂(約20~22℃)(約60秒)
サウナでも交代浴でも欠かせない水風呂。ここでしっかりと身体を冷やす。サウナの場合、水風呂の温度にこだわる人が多い。サウナーの皆さんの中には「20℃なんてお湯。15℃からが水風呂」という方や「グルシン(一桁の水温)じゃないと満足できない」という方もいるだろう。サウナで身体的に最も気持ち良さを感じるのもこの水風呂だ。
しかし交代不感浴の場合、この後また外気温よりも温度が高いあつ湯に戻ったり、ぬる湯に入ったりするので、そこまでキンキンに冷やす必要はない。水温にもよるが、私の場合あつ湯と同じように頭の中で大体60秒をカウントするので、実際は1分半~2分程度浸かる。
①・②を2セット
44~46℃は不慣れな人にとっては最初はかなり熱く感じる温度だろう。ただ、水風呂に入ったあとで戻ると、身体の感覚がバカになっているのか、頭はスッキリとして、身体は快適な温度に感じるようになっている。この水風呂→あつ湯に入った瞬間の不思議な感覚が好きなので、私は①・②を2セットは回すようにしている。
③ぬる湯(約34~38℃)(心ゆくまで)
交代不感浴のメインディッシュ。特に、この工程で入る風呂が、不感温度に設定されている「人工炭酸泉+バイブラ」だった場合、その気持ちよさは、ここに書くのも憚られるような言葉でしか表現できない(察し)。水風呂→ぬる湯に入った瞬間、思わず声が漏れてしまうこともあるだろう。それ程気持ちいい。
全身、そして脳までが湯に溶けゆくような快感を是非心ゆくまで堪能してもらいたい。①・②の工程では頭の中で時間をカウントしていたが、ここはもう何も考えず、ただただ全身に包まれる快楽に身を委ねる。
④外気浴(心ゆくまで)
私の場合③の不感温浴が「少し温かいな」と感じてきたら、あがって外気浴をするようにしている。この交代不感浴のよいところは③で身体的快楽を感じたあと、この工程でサウナ同様に無心になれる、つまり「ととのう」ことができるので二度美味しい。
サウナ程急激な温度差ではないものの、それでも身体に負担をかけていることは間違いないので、場合によってはここで思った以上の動悸を感じる人もいるだろう。そんな場合もこの工程でしっかりと身体を休めて欲しい。そして時間的に余裕があったり、緊急事態宣言下でなければ、私はこの①~④のセットを3回程度回すこともある。
交代不感浴のメリットとデメリット
以上が私なりの交代不感浴の方法だ。そしてこの方法にはサウナと比較したときのメリットとデメリットの両方が存在する。
メリット①:混まない
何と言ってもこれ。この方法を実践し始めて二ヶ月が経つが、サウナ室の前に並ぶような待ち時間はいまだかつて経験していない。そしてこれは何かと「密」が気になるこの時世にとっては精神衛生的にも、実際の衛生面でも重要なポイントだ。Googleトレンドでキーワードの検索ボリュームを調べてみたところ、「交代浴」や「不感温浴」は「サウナ」の1%以下だった。
メリット②:安い
銭湯は国が定める「公衆浴場法」および都道府県の定める条例において、地域住民の保健衛生上必要な施設である「一般公衆浴場」として指定されており、物価統制令によって入浴料の上限が設定されている。
長々と回りくどく書いてしまったがつまり、安い。東京都の場合は一律470円だ。(このあたり詳細を知りたい方は厚生労働省のサイトを参照されたい)
都内では1時間で1000円以上することも珍しくないサウナと比べれば圧倒的に破格である。タバコを吸っている人なら1箱分よりも安価に快楽を手に入れられることになる。毎日行ってもいいくらいだ。
唯一のデメリット:施設が少ない
混まない・安い・気持ちいい、といいこと尽くめ交代不感浴だが、デメリットもある。それは対応施設が少ないこと。交代不感浴に必要な、あつ湯・ぬる湯・水風呂・露天の全てが揃っている銭湯はかなり珍しい。なので実は、私のこの啓蒙によって交代不感浴のブームが到来し、混雑してしまったどうしようかと気が気でない。(天地がひっくり返ってもないだろうが)
全てが揃っている施設にはなかなか巡り会えないので、その場合の私の優先順位は、①ぬる湯>②水風呂>③あつ湯>④露天なのだが、①のぬる湯がある銭湯がまず少ない。
サウナブームで盛り上がる一方で、サウナがない銭湯にとってはなかなか厳しい業界だと聞くが、設備投資もサウナに比べてかなり抑えられるはずの、このぬる湯に浸かれる銭湯が今後増えていくことを切に願う。
長々と書いたが、交代不感浴は決してサウナを否定するものではない。このコロナ禍でサウナも臨時休業している店が多いなか、また感染を避けるひとつの選択肢としての提案に過ぎない。訪れた銭湯がサウナを臨時休業していたとしても、そこで踵を返さずに、是非一度試していただきたい。そしてこの投稿を見た方の安全な気分転換と、休業要請に苦しむ銭湯への一助となればうれしく思う。
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